2024年10月号<牧師室より>「祝福を持ち運ぶ」

9月21日のラトガーズ大学の天野先生をお迎えしてのセミナーはとても良い集まりとなりました。先生のお話は分かりやすく、また会場からも質問や意見も寄せられ、海外に住んでいる私たちに必要なお話を伺うことができたと思います。

特にその最後の方でお話いただいたこと、認知症の方々のサポートのために、個人でもなく、国や州の政府でもなく、コミュニティーだからできる事はないかという提言は私たちにとって、とてもチャレンジングな問いだったと思います。これから、この地域のネットワークがこの先生を通して、どのように広がっていくか楽しみです。そして、それだけではなく、天野先生をはじめ、何人かの方々から、「この日本語教会はすでに一つのコミュニティーですね」とお声をかけていただき、励まされたと共に、新しい視点を与えられたように思います。

今まで私は「教会が地域のコミュニティーに、日本語を使う人々のコミュニティーに出て行く」ことの大切さを訴えてきましたし、何ができるかを考えてきました。しかし、今回「この日本語教会はすでに一つのコミュニティーですね」という皆さんにかけていただいた言葉によって、私たちの教会自体が一つのコミュニティーとなり、周りの人々を巻き込んで行くことができれば、それはまた大切な使命を果たしたことになるのではないかと思ったのです。

聖書の中で、「信仰の父」と言われたアブラハムはこのように神様に語られました。

「あなたは国を出て、親族に別れ、父の家を離れ、わたしが示す地に行きなさい。わたしはあなたを大いなる国民とし、あなたを祝福し、あなたの名を大きくしよう。あなたは祝福の基となるであろう。」(創世記 12:1-2・口語訳)

 この約束は、今では教会に対する約束として受け継がれています。安穏とした生活から立ち上がって、神様に従って歩んでいくときに、私たちは祝福の基となって、周りの人々に祝福を持ち運んでいく存在になっていくのです。勇気をもってこの地域に住む日本語を使う方々に祝福を持ち運ぶ働きをさせていただこうではありませんか。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です