<牧師室より>2025年12月「世界で初めのクリスマス」

 12月なりました。ホリデーシーズンに入り、街はクリスマス一色になっています。日本を含めて世界各地で祝われているクリスマス。12月号の月報が届く頃には、ロックフェラーセンターでの大きなクリスマスツリーの前に多くの人々が集まっていると思います。でも、世界で初めのクリスマスはそのような華やかなものではありませんでした。

 今から2000年前、イエスがユダヤのベツレヘムでお生まれになった時、まさに世界がBCとADに分かれるその出来事がおこったその夜、最初にそのニュースを聞いたのは町の外で野宿をしていた羊飼いたちでした。

彼らに天使がこのように告げました。

「恐れることはありません。見なさい。私は、この民全体に与えられる、大きな喜びを告げ知らせます。今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになりました。この方こそ主キリストです。あなたがたは、布にくるまって飼葉桶に寝ているみどりごを見つけます。それが、あなたがたのためのしるしです。」(ルカの福音書2章10~12節)

 救い主の「しるし」・・・それは「目印」であった以上に「象徴」でした。この救い主はどのような意味での救い主か、それは「飼い葉桶に寝かされているような救い主」なのだというメッセージなのです。

 「飼い葉桶」とは家畜がエサを食べるところです。赤ん坊を寝かせるようなところではありません。イエスの母マリヤとその夫ヨセフは客間に滞在することもできず、生まれたばかりの赤ん坊を飼い葉桶の中に寝かせなければならなかったのです。その飼い葉桶こそが、この救い主がどんな方かを象徴するしるしとなったのです。

 この時期、世の中が華やかになればなるほど、取り残された気持ちになる方がおられるといいます。イエスはそのような方々にこそ届く、救い主として来てくださったのです。そして、私たち一人ひとりの心の中の一番深いところ、一番人に見せられないところに届いてくださる救い主として来てくださったのです。

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