「しかし、わたしが与える水を飲む者は、いつまでも、かわくことがないばかりか、わたしが与える水は、その人のうちで泉となり、永遠の命に至る水が、わきあがるであろう。」(ヨハネ 4:14)。去年のイースターに、私はこの御言葉によって生まれ変わったのです。
この御言葉に導かれるまで、私は毎日が不安で、自己嫌悪ばかり感じていました。常になにかをやって目標を達成していかないと、周りに認めてもらえない、こんな自分は誰にも愛されない、と思っていました。自分に自信がなくて劣等感を感じる時もあれば、友達よりもテストの点数がいいと優越感を感じたり、誰にでもいい顔をする表面的な付き合いに嫌気がさしたり、自分が何なのかわ分からなくなっていたのです。何のために生きているのだろうと思ったことも少なくはありません。あることを成し遂げた直後は、達成感で心が満たされていたのですが、時間がたつと、またやらなきゃ。。。と、あせりを覚えることの繰り返しでした。心にぽっかりと空いた空洞を埋めるのに一生懸命で、「幸せ」というものを感じる余裕さえなかったと思います。埋まったと思ったらまた穴が空いてしまう心。どうしたらこの苦しみから抜けられるのだろう。。。といつも思っていました。
そんな時、私は錦織先生に出会いました。日本で通っていた、ミッション系スクールの聖書の時間と違って、聖書に書かれていることをただ勉強するだけでなく、先生は、私の悩みに親身になって相談に乗って下さり、聖書の御言葉の中に一つ一つの答えを見出して下さいました。その時の先生の言葉は、どんなアドバイスよりも、一番私の心に平安をもたらしてくれました。そして必ず、「どうか沙織ちゃんが心のドアを開いて、あなたの大きな愛を受け入れられるようになりますように。」と一緒にお祈りをして下さいました。その時初めて、私は神様が差し伸べて下さっている手を取っていなかったことに気付きました。そのことに気付いた途端、私は言葉では表せないような暖かいものを感じました。あの生まれ変わった時の喜びは、昨日のことのように鮮明に覚えています。
洗礼を受けてから、本当に毎日が明るくて、神様に愛されることが嬉しくて嬉しくてしょうがない日々を送っています。どんなに辛いことがあっても、苦しい思いをしても、「いつだって神様と一緒だから!」と思うと、何でも乗り越えられる気がします。物事がうまくいかなくても、「これは神様が私にベストだと思って立てて下さった、神様のご計画のうちなんだ。」と思うと、何も怖くありません。切羽詰っている時でも、お天気が良いことを喜んだり、おいしくご飯が頂けたり、生まれて初めて「余裕」というものを感じることができるようになりました。些細な幸せを感じられるほど、素晴らしいことはないと今感じています。
しかし、ある教会の仲間へ送ったEメールに書いたことなのですが、神様に救われて怖いものも怖くなくなった後も、「完璧なクリスチャンになるには」ということで随分悩みました。この一年間を振り返ると、心の中で沢山のことと葛藤していたような気がします。正直に告白すると、聖書をまだ全部読んでいないし、学校とピアノの忙しさにかまけて、教会にもあまり行っていませんでした。自分のお祈りの仕方が間違っているのではないかと悩んだことも何回もあります。更に、「神様なんていないんだよ。」と言いつつ、「ああ、神様助けて!」、「神様恨むよ!」と言う、ノンクリスチャンに腹を立ててしまったり(自分だってついこの間まではクリスチャンではなかったのに!)。。。時には、非クリスチャン的な自分は教会へ行くことも、ましてや聖餐にあずかることなんてふさわしくない!と、思いました。
と、この様に反省点ばかりなのです。でも、そんな私を聖歌隊の伴奏で使って下さったり、Genesistersに仲間入りさせて下さったり、たまに教会へ行っても温かく接して下さったり、一緒にお祈りをして下さる兄弟姉妹を見て、なんてみんな心が広いんだろう!と、感動しました。どんな人でも寛大な心で受け入れる。。。これが、イエス様を信じるクリスチャンなのですね。この一年は本当に兄弟姉妹にたくさん励まされた一年でした。今、皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。
私には今、大きな夢があります。自分と同じ子供が、衣食住に不自由したり、病気で苦しんだり、親を戦争で亡くして寂しい思いをしていることがいたたまれません。「受けるより、与えるほうが幸いである」という教えのように、神様から頂いた充分な恵みを、奉仕を通して多くの子供に分けてあげたいと思っています。皆さんが私にして下さったように、乾く心を持つ人々に、永遠の泉のあることを教えてあげることができたら、どんなに素晴らしいことだろうと思います。まだまだ未熟ですが、これからも神様を愛し仰ぎつつ、歩んで生きたいと思います。
皆様、どうぞお元気で! May God bless you~♪
月報2003年7月号より