主の御名を賛美いたします。
3年前の私の病気に際して戴いた教会の皆様のお祈りにあらためて心から感謝します。
2006年2月の末、私は東京の自宅から徒歩3分の所に新設された順天堂大学医学部付属病院で総合的に身体検査を受けました。今後この病院にお世話になろうと思ったからです。
その結果、大腸の上行結腸に3CMくらいのガンが発見されました。私の友人には大腸ガンを切り取って元気に暮らしている人が何人もいるので「あなたはガンです」と言われても「ああそうか、切ればいいんだ」と思っただけでした。しかし「あなたは糖尿があるし、心筋梗塞もしているので、手術にはかなりのリスクが伴います」というので「どんなリスクで確率はどれくらい?」と聞くと、「5分5分の確率で手術の最中または直後に心筋梗塞や脳梗塞を起こす恐れがあります。病院としては、もしそうなってもすぐ対応する準備はしますが」とのことです。これにはちょっと暗い気持ちになりました。
私自身は本来体が弱く60歳くらいまで生きられればいい方だと言われていたのに、もう75歳だから今死んでも十二分に元は取れている。今目標としている日本人男性の平均寿命78歳だってもう目と鼻の先だ。だから死ぬのはそれほど怖くありません。それでこのままにしていて残された寿命はどれくらいでしょうか?と聞くと「2年間は何も起きないでしょう、3年目も大丈夫かもしれない、4~5年目には必ず腸閉塞になって苦しんで死ぬでしょう」とのこと。最後に苦しむのは困るけど、それだけ時間があるなら手術は受けまいと決めました。
その後いろんな方とお会いする機会がありましたが、みんな私も家内も元気そうで明るい顔をしていると驚かれたそうです。とてもガンの「宣告」を受けた人とは思えないと言うのです。それは私にはとても不思議に思えました。しかし私たちが平安を保てたのは私たちがクリスチャンであることにあると気付かされました。勿論、年齢的なことも大きかったと思いますが、私たちには既に天に永遠の命が用意されているのだということが無意識のうちに死を恐れない安心感を戴いていたのだと思います。
ただ私は何もしなかったわけではなく、3月初めに帰ってくる予定を5月初旬まで延ばし、かねてよりガン治療に著効があると聞き知っていた温熱療法に丸2ヶ月通いました。また、この間、気功治療も受けました。その後、6月に新谷先生の内視鏡検査と転移の有無を調べるCT検査を受けたところ、「ガンは治っていません。今なら転移はないようだからリスクはあっても取ってしまった方がいいですよ」と言われました。ここでも私は手術を拒否、そこで、新谷先生は「では10月にもう一度診ましょう。その時治っていなかったら切る他はありませんよ」と言い残して日本に行かれました。
10月に受けた再検査で私のガンが快方に向かっていないことが確かめられ、新谷先生は私に有無を言わせず、その場で手術担当医のアポイントをとり、アレヨアレヨと言う間に、11月1日の入院手術が決まってしまいました。そして手術。私は麻酔にsensitiveだから気をつけてと言っておいたにもかかわらず、2日の朝まで覚醒せず、その間に心筋梗塞を起こしてしまいました。でも、私は目が覚めて神さまに感謝しました。ガンは取れた、そして、心配していたside effectは心筋梗塞でよかった。
実は私は入院の前にお祈りしたのです。「神さま、私に何か起きるのでしたら、脳梗塞だけはならないようにお願いします。もし脳梗塞になるのでしたら、すかさず天に召してください」と。弟を脳梗塞で亡くした私は、脳梗塞のつらさと家族にかける負担の大きさを身にしみてわかっていましたから。こうして2週間後、私は晴れて退院しました。
この経験を通して私は神様に守られていることを実感しました。第一に初期の段階でガンが見つかったこと。第二にガンと聞いても平安を保つことができたこと。第三に代替治療もトライしてうまくいかないことを納得した上で新谷先生が背中を押して手術に向かわせてくださり、ガンの恐れを取り去ることができたこと。第四に脳梗塞を回避できたこと。そしてもう一つ、子供たちが誰か一人付き添いに来ることを相談し、日頃余りコミュニケーションのない一番下の娘が飛んできて、私と家内のサポートをしてくれ、また、ゆっくり話をする貴重な時間を持てたこと、これらはすべて神さまのみ恵みによるものと言う他ありません。本当にクリスチャンであることの喜びを感じて感謝しております。
月報2009年2月号より