2~3年前にアカデミー候補となった映画「About Schmidt」という題名の映画をご覧になりましたか?最近我が家ではDVDを借りて見る機会が多く、家内に「是非見たほうが良い!!」と薦められ一緒に見ました。一度目はなかなか身にしみる場面が多く、「なるほど、気を付けなくてはいけない」と感じました。その後数日、数週間が経過しても、どうもこの映画のことが頭から離れず、今度はDVDを買い、一人でじっくりと見ました。
主人公のWarren Schmidt は66歳、結婚42年、オマハの大きな保険会社のAssistant VP の職を最後にリタイアする当日の場面から映画は始まります。主人公自身の人生への思い、特にサポートをするアフリカの孤児Nduguへの手紙を媒体としての自己発見、妻との関係、娘との関係等を中心に話しが進みます。
映画の一つのテーマは、Warren の不満・怒り、「自分の人生は何であったか、会社仕事、自分は何かに貢献出きたか?」「妻はいつも自分をコントロールする、彼女の小さな仕草や趣味が気に入らない!」「娘はとんでもない輩と結婚しようとしている、許せない!」、そして、もう一つのテーマは感謝、「退職直後に脳梗塞で急死した妻への感謝」、「全く気に入らない娘のフィアン家族への感謝」、「Nduguへの感謝」。
私は今年で50歳となり、Warren の年までにはもう少し時間がありますが、会社・仕事・妻・娘とかなり身にしみる映画の設定で、とても共感できる映画でした。しかし、どうも何かが足りないという思いがずっと残っていました。考えてゆきますと、示される事は、足りないものは「神様への感謝」と思えてきました。自分との関係、家族との関係、知人・友人との関係の前に「神様との関係」。そして、「神様に似せて創られ、生かされていることへの感謝」、この根源的な部分の神への感謝、自分の支配でなく、神の支配への委ね、この大切な部分が描かれていない事が映画への消化不良の原因と確信出来ます。Warren から怒り・不満がなくならない。しかし、ふと自分を振り返ると、Warrenとあまり変わらない姿が見えてきます。自分に対して、そして会社・仕事・対人関係の不安・怒り・恐れ。自分では解決出来ない、どうすれば良い。自分には出来ないが、神様には出来る。全てをゆだね、全てに感謝し、生かされている自分がいると考えると、不思議いや当然、不安・怒り・恐れが去り、平安が与えられます。
1991年12月22日にJCCNJで正木牧師から洗礼をうけ、「あなたがわたしを選んだのではない。わたしがあなたを選んだのである。そして、あなたがたを立てた。それは、あなたがたが行って実をむすび、その実がいつまでも残るためであり、また、あなたがたがわたしの名によって父に求めるものはなんでも、父が与えて下さるためである。」 ヨハネ15-16の御言葉を頂きました。洗礼から12年、やっと神様の大きさ、偉大さを痛感しています。洗礼にあたり、この御言葉を語られ正木牧師を通して、特に私に選んでくれました神様に感謝です。
その後のWarren は教会、神様につながり、神様の力により沢山の実を結んだという「About Schmidt 2」を楽しみにしています。日々、働いて下さる神様に感謝!思いやり深い家族、特に妻に感謝です!
月報2003年11月号より