2022年も早くも12月になり、街はクリスマスの装いになりました。今年のクリスマス、皆さんはどのような思いで迎えようとしておられるでしょうか?
今年はロシアがウクライナに侵攻するというニュースがあり、今も戦いが続いています。例年以上に平和を祈るクリスマスを迎えられる方も多いのではないでしょうか。
実は、「平和」はクリスマスの大切なメッセージの一つです。聖書の中にこのような言葉があります。
ひとりのみどりごが私たちのために生まれる。ひとりの男の子が私たちに与えられる。主権はその肩にあり、その名は「不思議な助言者、力ある神、永遠の父、平和の君」と呼ばれる。その主権は増し加わり、その平和は限りなく、ダビデの王座に就いて、その王国を治め、さばきと正義によってこれを堅く立て、これを支える。今よりとこしえまで。万軍の主の熱心がこれを成し遂げる。
イザヤ書 9章6~7節
これは、イザヤという預言者が救い主の誕生を預言した言葉です。その救い主は「平和の君」と呼ばれる、そして、その救い主による平和が限りなく続く、と約束されているのです。
そして、それから700年後、最初のクリスマス、イエスが生まれた夜に、天使たちはこのように歌いました。
「いと高き所で、栄光が神にあるように。地の上で、平和がみこころにかなう人々にあるように。」
ルカの福音書 2章14節
アメリカで道を走っている時に時々目にする「Peace On Earth」という言葉はここから来ているのですね。
イエスは平和をもたらすために来られました。そして、神は今も私たちの平和を願い、私たちに平和を与えようとしておられるのです。この時に「平和」が何を意味しているのかにちょっと注意しないといけません。日本語・英語を含めてほとんどの言葉で、「平和」は「穏やかなこと」「争いのないこと」「波風が立っていないこと」を意味しています。戦争と戦争との間の争いがない期間のことを「平和」と呼んだ人々もいました。しかし、旧約聖書が書かれ、また新約聖書でもその背景となっているヘブル語では、「平和」は「シャローム」といって、命と自由にあふれた状態を指すと言われています。ただ、争いがない、強い者の横暴さの中で、みんなが我慢して成立しているような平和ではなく、本当に一人一人が喜びに満ち、感謝にあふれて歩むような平和を指しているのです。神は、クリスマスにお生まれになったイエスを通して私たちに与えようとしている平和はこれです。私たちの内側を喜びと命、自由と力に満たし、それによって、私たちが周りの人々との間に平和を作り出していくことができるようにしてくださるのです。
今年のクリスマス、私たちが世界の平和を祈ると共に、神様の力を頂いて、まずは自分の周りの人々との間に「波風が立たない」状態を超えた本当の平和を作り出していくことができますように。