「それを、ここに持って来なさい」(マタイ14章18節)
私たちの教会は、この言葉をいただいて、2025年をスタートしました。
その日、イエスの周りには、男だけで5000人、女性や子どもを入れると1万人とも1万5千人とも言われる人々が集まっていました。日が傾き始めたとき、イエスの弟子たちは「もう夕方です。この群衆を解散させて、それぞれで食物を買いに行かせてください」と進言しました。しかし、それに対するイエスの答えは信じられないものでした。イエスは言われたのです。「あなたがたの手でこの人々に食物をあげなさい」と。「そんなこと言われても・・・」と、自分たちの手の中にあるものを見て、弟子たちは「私たちには5つのパンと2匹の魚しかありません」と答えます。それに対してイエスが言われた言葉が、その言葉でした。
「それを、ここに持って来なさい」
日本の企業の競争力が落ち、また円安が進む中で、駐在や留学のために来られる方々が減っている中で、私たちの教会に集う方々も減ってきています。また、長年にわたり教会を支えて来られた皆さんも、また私自身も10年、20年前のような動きができなくなってきています。そんな現状を見るときに、「私たちにはこれしかありません」と言いたくなります。しかし、そんな私たちに対して、今日も、イエス様は同じように言われているのではないかと思ったのです。
「それを、ここに持って来なさい」
私たちの手の中にあるものは何でしょうか?「これっぽっちでは・・・」「何もできませんよ・・・」そう言わないで、神様のために用いていただくのです。
「あなたがたの手で食物をあげなさい」とイエスは弟子たちに言われたのですが、実際に起こったことを見ると、弟子たちは自分の手の中にあるものを、ただイエスのもとに持って行っただけでした。イエス様はそれを受け取って、神様に感謝して、弟子たちに渡して、人々に配らせられました。その時に人々は満腹したというのです。人々を満腹させたのは弟子たちではなく、イエスご自身でした。
「それをここに持ってきなさい」といわれたイエスは、私たちの手の中にある小さなものを喜んで用いてくださり、人々の心をいっぱいに満たしてくださるのです。イエスの招きに応えて歩んでいきたいと思います。
2025年の皆さんの歩みにも神様の祝福をお祈りしています。